千代ヶ崎砲台跡は、日本で最初に建設された「東京湾要塞」の一つです。清国との緊張が高まる中、明治28年に完成いたしました。その後東京湾を守備する砲台としての役目は、昭和20年8月の終戦まで続きました。戦後、一時民間に払い下げをされましたが、昭和35年防衛庁が海上自衛隊千代ヶ崎送信所を設置するため買収し、平成22年まで管理運営していました。このような経緯から、千代ヶ崎砲台跡は極めて良好な状態で遺構が保存されており、平成27年3月10日に猿島砲台跡と千代ヶ崎砲台跡の2つの砲台跡が、「史跡東京湾要塞」という、軍事施設に関する遺跡としては日本で初めて国から史跡指定をされました。また、日本遺産の構成文化財にも認定されております。
この度、千代ヶ崎砲台跡は、公開のため第1期整備が終わり、令和3年10月から土・日・祝日に限り一般に公開することができるようになりました。
この公開を支えるために、「千代ヶ崎砲台跡活用サポーターの会」が令和3年9月に発足致しました。この会のメンバーは、令和2年から様々な研修を受けて準備を重ねておりました。千代ヶ崎砲台跡の歴史的な価値などを丁寧に解りやすくガイドすることはもとより、皆様方が安全で安心して見学できるように史跡内の危険個所等に配慮すると共に、避難訓練や防災訓練なども行っております。また、軍事に関する史跡ということから、特に人権・平和教育について心を配ってガイドを行っております。
当会は発足してあまり日がたっておりませんが、ガイドの経験豊富な会員も多数在籍しており、また会員の多くは地元の方で構成され、地域にある貴重な史跡を活用し、郷土に対し誇りや愛着を持ち、自分たちの手で地域の活性化にも寄与しようと、シビックプライドを持った会員ばかりです。
「千代ヶ崎砲台跡」からは浦賀水道を行き交う船を一望でき、三浦半島の山々をはじめ遠くには富士山を望み、春には桜も咲く緑豊かな風光明媚な史跡です。
自然豊かな千代ヶ崎砲台跡においでいただき、日本の近代化の躍動を体感し、近代の歴史について理解を深めると共に、平和について思いを寄せるひとときになっていただけたら幸いです。
多くの皆様のおいでをお待ちしております。
千代ヶ崎砲台跡活用サポーターの会
会 長 外川昌宏